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自閉スペクトラム症(ASD)とは

自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、人との関わりが苦手・強いこだわりがあるなどの特徴を持つ発達障害の一つです。これまでは自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など発達の遅れが目立った時期、知的能力の違いなどから病名が分類されていました。しかしながら、本質的には一つの疾患の連続体(スペクトラム)であると捉えようということになり「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれるようになりました。自閉スペクトラム症(ASD)という同一の診断であっても、その特性の程度や困難の現れ方は人それぞれ異なります。そのためその人に合った対応や治療が必要となります。

自閉スペクトラム症(ASD)の原因

原因はまだ特定されていませんが、生まれつきの脳の機能障害によるものと考えられています。これまでの研究から、育て方やしつけが原因ではないことがわかっています。また遺伝要因と環境要因の複雑な相互作用が発生に影響を与えている可能性も指摘されています。

自閉スペクトラム症(ASD)の症状・特徴

自閉スペクトラム症(ASD)では、主に以下のような症状・特徴が見られますが、症状の有無や程度は人によって異なります。

対人関係を築く困難さ
  • 相手の気持ちを察することが苦手
  • 相手との適切な距離が分からない
  • 言外の意味が理解できない
  • 感情、気持ちを人にうまく伝えられない など
こだわりの強さとパターン的な行動
  • 一つのことに没頭すると周りが見えなくなる
  • 関心を持てる領域が偏る
  • 特定の手順、方法を繰り返す
  • 興味をもった領域に関して膨大な知識を持つ など
その他
  • 感覚面の過敏さ、鈍感さ(感覚過敏)
  • 偏食、睡眠の異常
  • 不器用、運動が苦手 など

自閉スペクトラム症(ASD)の治療

根本的な治療法はまだ存在しませんが、自閉スペクトラム症(ASD)による症状や困りごとを軽減する対処法や治療法はあります。当院では主に心理療法を用いますが、必要に応じて薬物療法を用いることもあります。

心理療法

自閉スペクトラム症(ASD)の症状に対しては、環境調整や心理カウンセリングが基本的な対処法となります。
環境調整とは、本人と周囲の人が自閉スペクトラム症(ASD)の症状をよく理解したうえで生活面において工夫をおこない、本人が過ごしやすい環境を整えることです。医師や心理師との心理カウンセリングをもとに、家族や職場の人達などにも協力してもらうことが必要となります。また、心理カウンセリングでは、ひとりひとりの特性に合わせた現実的な対処法を一緒に考えていきます。成人期に合併しやすい不安症やうつ病などには、認知に働きかけて気持ちを楽にする認知行動療法などを用います。

薬物療法

困っている特定の症状が心理療法だけでは改善されない場合、薬物療法を検討します。
また、自閉スペクトラム症(ASD)の特性がきっかけで不安やうつ状態といった精神症状が現れた際に薬物療法を用いることもあります。

よくあるご質問(Q&A)

自閉スペクトラム症の症状・特徴が現れるのはいつ頃ですか?

自閉スペクトラム症の症状・特徴は幼少期から認められ、早ければ1歳半の乳幼児健康診査でその可能性を指摘されることがあります。
しかしながら知的能力障害(知的障害)を伴わず言葉の発達が良好である場合には、小学校入学後や成人になってから初めて診断を受けることもあります。

自閉スペクトラム症はどのくらいの割合で発症しますか?

自閉スペクトラム症の人は約100人に1人といわれています。性別では男性に多い傾向があります。自閉スペクトラム症の診断はつかなくとも、自閉スペクトラム症の特徴のいくつかに当てはまるという人も少なくないと思います。もし日常生活に支障があるようでしたら、遠慮なくご相談ください。

発達障害による二次障害について教えてください。

二次障害とは、発達障害の特性により困難やストレスが生じることが原因で、こころやからだに不調が起こり精神疾患(うつ病、適応障害など)の合併や問題行動(暴力、暴言など)などが生じて、日常生活に支障をきたしてしまう状態のことです。
二次障害は医学的な専門用語ではなく、発達障害に関連して起こる二次的な問題の総称のことを言います。

自閉スペクトラム症(ASD)とは

自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、人との関わりが苦手・強いこだわりがあるなどの特徴を持つ発達障害の一つです。これまでは、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など、発達の遅れが目立った時期知的能力の違いなどから病名が分類されていました。

しかしながら、本質的には一つの疾患の連続体(スペクトラム)であると捉えようということになり「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれるようになりました。自閉スペクトラム症(ASD)という同一の診断であってもその特性の程度や困難の現れ方は人それぞれ異なります。そのため、その人に合った対応や治療が必要となります。

自閉スペクトラム症(ASD)の原因

原因はまだ特定されていませんが、生まれつきの脳の機能障害によるものと考えられています。
これまでの研究から育て方やしつけが原因ではないことがわかっています。
また、遺伝要因と環境要因の複雑な相互作用が、発生に影響を与えている可能性も指摘されています。

自閉スペクトラム症(ASD)の
症状・特徴

自閉スペクトラム症(ASD)では、主に以下のような症状・特徴が見られますが症状の有無や程度は人によって異なります。

対人関係
を築く
困難さ
  • 相手の気持ちを
    察することが苦手
  • 相手との適切な
    距離が分からない
  • 言外の意味が理解
    できない
  • 感情、気持ちを
    人にうまく伝え
    られない など
こだわりの
強さと
パターン的
な行動
  • 一つのことに没頭
    すると周りが見え
    なくなる
  • 関心を持てる領域
    が偏る
  • 特定の手順、方法
    を繰り返す
  • 興味をもった領域
    に関して膨大な
    知識を持つ など
その他
  • 感覚面の過敏さ、
    鈍感さ
    (感覚過敏)
  • 偏食、睡眠の異常
  • 不器用、運動が
    苦手 など

自閉スペクトラム症(ASD)の治療

根本的な治療法はまだ存在しませんが、自閉スペクトラム症(ASD)による症状や困りごとを軽減する対処法や治療法はあります。当院では主に心理療法を用いますが必要に応じて薬物療法を用いることもあります。

心理療法

自閉スペクトラム症(ASD)の症状に対しては、環境調整や心理カウンセリングが基本的な対処法となります。環境調整とは、本人と周囲の人が自閉スペクトラム症(ASD)の症状をよく理解したうえで生活面において工夫をおこない、本人が過ごしやすい環境を整えることです。医師や心理師との心理カウンセリングをもとに、家族や職場の人達などにも協力してもらうことが必要となります。

また、心理カウンセリングでは、ひとりひとりの特性に合わせた現実的な対処法を一緒に考えていきます。成人期に合併しやすい不安症やうつ病などには、認知に働きかけて気持ちを楽にする認知行動療法などを用います。

薬物療法

困っている特定の症状が心理療法だけでは改善されない場合、薬物療法を検討します。また、自閉スペクトラム症(ASD)の特性がきっかけで不安やうつ状態といった精神症状が現れた際に薬物療法を用いることもあります。

よくあるご質問(Q&A)

自閉スペクトラム症の症状・特徴が現れるのはいつ頃ですか?

自閉スペクトラム症の症状・特徴は幼少期から認められ、早ければ1歳半の乳幼児健康診査でその可能性を指摘されることがあります。
しかしながら知的能力障害(知的障害)を伴わず言葉の発達が良好である場合には、小学校入学後や成人になってから初めて診断を受けることもあります。

自閉スペクトラム症はどのくらいの割合で発症しますか?

自閉スペクトラム症の人は約100人に1人といわれています。性別では男性に多い傾向があります。自閉スペクトラム症の診断はつかなくとも、自閉スペクトラム症の特徴のいくつかに当てはまるという人も少なくないと思います。もし日常生活に支障があるようでしたら、遠慮なくご相談ください。

発達障害による二次障害について教えてください。

二次障害とは、発達障害の特性により困難やストレスが生じることが原因で、こころやからだに不調が起こり精神疾患(うつ病、適応障害など)の合併や問題行動(暴力、暴言など)などが生じて、日常生活に支障をきたしてしまう状態のことです。
二次障害は医学的な専門用語ではなく、発達障害に関連して起こる二次的な問題の総称のことを言います。

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